- 税理士紹介や紹介手数料は違法なの?
- 税理士の紹介を受けたら手数料をとられるの?
税理士紹介サイトを利用しようにも、その辺がクリアにならないと一歩が踏み出せませんよね?
じつは、結論から言うと、
税理士紹介や紹介手数料は違法ではありません。
また、手数料を支払うのは紹介してもらったユーザーではなく税理士側になります。
とはいえ、その理由や根拠がないとにわかには信じがたいですよね?
そこで、この記事では、
この記事の内容
- 税理士紹介サイトやその手数料が違法ではない根拠
- 税理士紹介手数料の仕組み
について

税務の実務に通算18年従事した私が業界経験をもとに解説しています。
これから税理士紹介サイトを利用したいけど違法性が気になるという方にとっては必見の内容です。
税理士紹介は違法ではない

インターネット検索でも「税理士紹介 違法」で検索されるので、違法かも?と思う人がいますが、そもそも有償無償を問わず違法ならば、税理士会自体が税理士を紹介することもできなくなります。
また、税理士紹介サイト業界で、規模や実績でナンバーワンの税理士ドットコムは、運営会社は弁護士ドットコム株式会社で東証グロース上場企業が運営しています。そんな上場企業が違法のサービスは提供しません。
税理士ドットコムについてはこちらの記事でくわしく解説しています。
税理士ドットコムの評判|98件の口コミで5点満点中【4.0】の高評価の秘密を解説!
その他のおすすめの税理士紹介サイトはこちらの記事をどうぞ
税理士紹介サイトのおすすめ【最新】主要5社を徹底比較!
では、なぜ、違法という認識が広まっているか?というと、おそらく税理士法の解釈まちがいによるものと思われます。
税理士は、税理士会に登録し所属することで税理士業務を行うことができます。
税理士会の会則には、次のようなものがあります。
(非税理士との提携の禁止)
第61条 税理士及び税理士法人は、法第52条又は法第53条第1項若しくは第2
項の規定に違反する者から業務のあっ旋を受けてはならない。(平成 26.10.15 変更)
(平成 2.1.23 旧第 57 条繰下、平成 13.10.18、平成 26.10.15 変更)
日本税理士会連合会会則
非税理士との提携の禁止という条文で、「業務の斡旋を受けてはならない」とあるので、一見税理士以外から紹介を受けることを禁止するもののように見えます。ただし、前文に法第52条又は法第53条第1項若しくは第2項の規定に違反する者とあります。
つまり、「税理士法の第52条と53条に違反するものからの斡旋」と限定されているんですね。
では、「税理士法の第52条と53条に違反するもの」とは何かというと、
(税理士業務の制限)
第五十二条 税理士又は税理士法人でない者は、この法律に別段の定めがある場合を除くほか、税理士業務を行つてはならない。
(名称の使用制限)
第五十三条 税理士でない者は、税理士若しくは税理士事務所又はこれらに類似する名称を用いてはならない。
2 税理士法人でない者は、税理士法人又はこれに類似する名称を用いてはならない。
税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)
第52条は税理士でないのに税理士業務を行う人、第53条は税理士でないのに税理士を名乗る人となっています。
つまり、嚙み砕いて言うと、いわゆる偽税理士が窓口になって斡旋するような業務を税理士が請け負ってはいけないということを言ってるわけなんです。

そもそも、税理士を紹介することが違法なら、友人・知人が「いい税理士だから紹介する」ということ自体、違法になってしまいますよね。
紹介手数料の仕組み|税理士負担で利用者は無料

税理士紹介サイトの利用は無料です。税理士紹介サイトの紹介料は税理士が負担します。

税理士は税理士紹介サイトを通じて、顧客の紹介を受けると紹介手数料を支払います。
この紹介手数料は、
顧客との契約が
- 一定期間契約が続き月額で報酬が発生する顧問契約
- 決算や確定申告のみといった一時的なスポット契約
といった契約状況や、支払手数料を一括で払うか分割で払うかによっても変わりますが、
概ね、顧客との年間契約料の50%から70%程度が相場です。
例えば、月額3万円、決算料15万円の顧問契約をすると、税理士が顧客から受け取る年間の顧問料は、3万円の12ヶ月分+15万円=51万円になります。
この場合の紹介料は、紹介手数料が50%だとすると25万5千円になります。
とはいえ、それは税理士が負担することですが、気になるのは、その分税理士報酬に上乗せされないか?ということですよね。
紹介手数料は税理士報酬に上乗せされない

紹介手数料分が税理士報酬に上乗せされる可能性はほとんど無いといえます。
それは以下3つの理由からです。
- 税理士費用の相場の浸透
- 競合があるので競争原理が働く
- 税理士業はLTVを最大化するビジネスモデルである
税理士紹介サイトのシステムと税理士業というビジネスモデルが影響しています。
税理士費用の相場の浸透
税理士紹介サイトの手数料が税理士費用に上乗せされない理由の一つが、税理士費用の相場の浸透があります。
税理士費用にも当然相場があって、以前より浸透しています。以下のように税理士紹介サイト各社も相場の目安になる指標を公開しています。
税理士ドットコム公開の相場表

税理士紹介エージェント公開の相場表

税理士紹介ネットワーク公開の相場表

つまり相場を無視した価格設定は現実的には難しいです。
競合があるので競争原理が働く
税理士紹介サイトでは、税理士側も成約しないと始まらないので、当然競争により価格は下落します。つまり、紹介手数料分を上乗せしてては、成約できなくなるんです。
税理士業はLTVを最大化するビジネスモデルである
税理士業に長く携わっているとわかりますが、税理士業はLTVを最大化するビジネスです。
LTVというのは、ライフタイムバリューの略で、「顧客生涯価値」という意味で、1人の顧客が自社と取引を開始してから終了するまでにどれだけの利益をもたらすかをいいます。
税理士業はまさにこれで、長く続く時は一生涯の取引になる顧客もいます。
例えば、法人の経営者と顧問契約を始めて、取引を開始したとします。決算や法人税の申告から始まり、一般的には税理士はそうそう変更しないので、10年、20年と続くことは珍しくありません。
その間にも
- 資産や他の所得があれば毎年の確定申告
- 親族への資産の贈与があれば贈与税の申告
- 最後に相続税の申告
と続いていきます。
つまり、紹介手数料分を報酬に上乗せしなくても、長い目で見れば、紹介手数料分なんて、全然痛くないんですね。
利用者が無料でできること

利用者が税理士紹介サイトを利用するのに無料でできることとして、以下のことがあります。
- 税理士の紹介
- 面談日程の調整
- 税理士との交渉の代行
税理士の紹介
一般的に税理士紹介サイトで税理士を紹介してもらう場合、候補を2~3人選定してもらい、面談をします。希望の税理士がいなければ、もう一度選定をすることになりますが、どこの税理士紹介サイトも成約するまでは無料で何度も紹介してくれます。
面談日程の調整
税理士と面談するには面談日程の調整が必要です。複数になると面倒ですが、概ね、どの税理士紹介サイトも面談日程の調整も無料で対応してくれます。
税理士との交渉の代行
税理士と契約する前に税理士費用がネックになることもあります。その際は交渉が必要になりますが、税理士と
税理士紹介サイトを利用するメリット

税理士紹介サイトの安全性がわかったところで、利用するメリットをまとめてみました。税理士紹介サイトのメリットは以下の5つです。
- 偽税理士と契約する心配がない
- プロの目から見た信頼できる税理士が探せる
- 簡単に効率的に税理士を探せる
- 相性の合う税理士を見つけやすい
- 税理士の競合により税理士報酬が低減する
税理士紹介サイトは、安心して信頼できる税理士を効率的に選択が可能で、報酬も競争による低減が期待できます。
偽税理士と契約する心配がない
税理士紹介サイトを利用する最大のメリットは、偽税理士や不正な業者と契約するリスクが大幅に低減されることです。
税理士紹介サイトは税理士会に登録された税理士のみを掲載しています。そのため、安心して信頼できる税理士と契約することができます。
プロの目から見た信頼できる税理士が探せる
税理士紹介サイトはプロの視点から見た信頼できる税理士を探す手助けをしてくれます。サイト運営側は慎重に税理士を選定し、実績や専門性、顧客評価などを考慮してリストアップしています。そのため、利用者はプロの目から見て信頼性の高い税理士を見つけることができます。
簡単に効率的に税理士を探せる
税理士紹介サイトを利用することで、簡単かつ効率的に税理士を探すことができます。サイト上で検索条件を指定し、自分のニーズに合った税理士を簡単に見つけることができます。これにより、時間と労力を節約しながら最適な税理士を見つけることができます。
相性の合う税理士を見つけやすい
税理士紹介サイトを利用すると、相性の合う税理士を見つけやすくなります。複数の税理士のプロフィールや実績を比較し、自分にとって最適な選択肢を見つけることができます。また、相性が合わない場合でも、サイトを通じて簡単に他の税理士を探すことができます。
税理士の競合により税理士報酬が低減する
税理士紹介サイトを利用することで、税理士間の競争が生まれるため、税理士の報酬が低減する可能性があります。利用者は複数の税理士から見積もりを取り、価格を比較することができるため、適正な価格でサービスを受けることができます。これにより、税理士の選択肢が広がり、利用者は予算に合わせた選択ができるようになります。
税理士紹介サイトの3つのデメリット
もちろん、税理士紹介サイトにはデメリットもあります。おもなデメリットは、以下の3つです。
税理士紹介サイトのデメリット
- 税理士の質にバラつきがある
- 担当者のスキルに差がある
- アフターサービスが不十分な場合がある
それぞれくわしく解説します。
税理士の質が低い場合がある
税理士紹介サイトに登録している税理士の中には、経験が浅い税理士や専門性が限定的な税理士も含まれている可能性があります。
登録基準がサイトによって異なるため、必ずしも高品質な税理士が紹介されるとは限りません。特に得意分野や実績を事前に十分確認しないと、自社のニーズに合わない税理士とマッチングされるリスクがあります。
担当者のスキルにばらつきがある
税理士紹介サイトでは、利用者の希望をヒアリングしてマッチングを行う「担当者」のスキルが結果を左右します。
しかし、この担当者のレベルには大きな差があり、税務知識が乏しかったり、業種ごとの特徴を理解していなかったりする場合があります。
その結果、こちらのニーズが十分に伝わらず、希望とは違う税理士を紹介されてしまうこともあります。複数の担当者が在籍しているサイトほど、担当者の質には注意が必要です。
アフターサービスが不十分の場合がある
税理士紹介サイトによっては、紹介後のフォローがほとんど行われないケースがあります。
契約後に「税理士と合わない」「対応が悪い」と感じても、十分にサポートしてもらえないこともあります。
また、他の税理士への再紹介に対応していないサイトも存在し、ユーザー側が自力でトラブルを解決しなければならない場面が出てくることもあります。利用前に、紹介後のフォロー内容やトラブル時の対応について確認しておくと安心です。
税理士紹介サイトのデメリットについてはこちらの記事でくわしく解説しています。
税理士紹介サイトのデメリット3つと失敗しない選び方【元税理士事務所スタッフ解説】
まとめ
税理士紹介や紹介手数料は違法ではありません。
税理士紹介サイトは、上場企業も運営する安心して利用できる無料のサービスです。
また、税理士紹介手数料分が税理士報酬に上乗せされる心配もありません。
とはいえ、税理士紹介サイトもそれぞれ、特長があり、会社によっては、
- 登録税理士が少なく、なかなか税理士が見つからない
- 担当者のスキル不足でサービスが不十分
ということは、もちろんあります。なので、しっかり見極める必要があります。
おすすめの税理士紹介サイトについてはこちらの記事でくわしく解説しています。
おすすめの税理士紹介サイト【最新ランキング】主要5社を徹底比較!
最後までお読みいただきありがとうございました。


