
資金繰りに困った際の強い味方となるファクタリング。中でも「大手ファクタリング会社」を検討している方は多いのではないでしょうか。本記事では、大手ファクタリング会社の種類から選び方、そしておすすめの会社まで徹底解説します。これから資金調達を検討している経営者や個人事業主の方は、ぜひ参考にしてください。
ファクタリングとは?基本的な仕組みを解説

ファクタリングは、企業や個人事業主が保有する売掛金(未回収の債権)を、ファクタリング会社に売却して即座に現金化するサービスです。通常の融資とは異なり、審査基準が緩やかで迅速に資金調達できることが特徴です。
ファクタリングの基本的な仕組み
ファクタリングには、主に以下の2つの取引形態があります。
- 2社間ファクタリング
売掛金の保有者とファクタリング会社の間で直接取引を行います。売掛先企業には知られずに資金調達ができるメリットがあります。
- 3社間ファクタリング
売掛金の保有者とファクタリング会社、売掛先企業の3者間で契約を結びます。売掛先企業の承諾が必要ですが、その分手数料が安くなる傾向があります。
ファクタリングの種類
ファクタリングはその仕組みや用途によってさまざまな種類に分かれています。以下では代表的なファクタリングの種類と、それぞれの特徴について詳しく解説します。
買取型
買取型ファクタリングは、売掛債権をファクタリング会社に「完全に売却」するタイプのファクタリングです。売掛金が回収不能となった場合でも、そのリスクはファクタリング会社が負担します。つまり、あなたの会社は売掛金の支払いが滞ったとしても損失を被ることはありません。
回収リスクを社外に移すという意味で非常にメリットが大きく、特にキャッシュフロー管理を重視する企業に向いています。ただし、ファクタリング会社にとってはリスクが高いため、手数料はやや高めになる傾向があります。
保証型
保証型ファクタリングは、売掛金の支払いが遅延または不能になった場合に、ファクタリング会社が保証金を支払ってくれるという仕組みです。債権そのものは売却しないため、資金化の即効性は買取型より劣りますが、与信リスクの軽減には有効です。
このタイプは、「今すぐ現金が必要」というよりも、「売掛先の信用が不安なので保険のように備えておきたい」と考える企業に適しています。与信管理の一環として利用されるケースが多いのが特徴です。
医療型
医療型ファクタリングは、病院・クリニック・介護施設などの医療機関を対象とした専門的なファクタリングで、主に診療報酬債権(健康保険組合や国保連合会から支払われる報酬)を資金化する仕組みです。
診療報酬は支払いまでに1~2ヶ月かかることが多いため、運転資金に余裕のない医療機関にとっては、医療型ファクタリングを活用することで早期に資金を確保し、安定した経営を維持することが可能になります。審査基準も医療業界に特化しているため、利用しやすいというメリットがあります。
国際型
国際型ファクタリングは、海外企業との取引で発生した売掛金を対象にしたファクタリングです。海外取引は為替リスクや文化・法制度の違いなど、さまざまなリスクが伴うため、債権回収がスムーズにいかないことも少なくありません。
このようなリスクを軽減するため、国際型ファクタリングでは現地の提携ファクタリング会社と連携し、債権の管理や回収、信用調査まで包括的にサポートしてくれます。貿易業務を行う企業にとっては、取引の安全性を高める手段として非常に有用です。
ファクタリングのメリット
ファクタリングは、銀行融資やビジネスローンと比べて多くのメリットがあります。特に中小企業や創業間もない事業者にとっては、資金調達のスピードや柔軟性の高さが魅力です。ここでは、ファクタリングの代表的なメリットを詳しく解説していきます。
資金調達が迅速
ファクタリングの最大の利点は、そのスピード感です。2社間ファクタリングの場合、必要書類が揃っていれば最短で数時間〜翌日には資金が振り込まれることもあります。
特に急な支払いが発生したときや、金融機関の審査に時間がかかってしまう場合において、スピード感のあるファクタリングは非常に心強い存在です。
「今すぐに現金が必要」「数日以内に仕入れ資金を確保したい」といったケースでは、銀行融資では間に合わないことが多く、その点でファクタリングは“緊急対応”に適しています。
保証人不要
銀行融資や信用保証協会の保証付き融資では、経営者個人の連帯保証が求められることが一般的です。しかしファクタリングは、「売掛金そのものの信用」に基づいて取引が行われるため、個人保証や担保が不要なケースがほとんどです。
これにより、経営者個人の資産にリスクを及ぼすことなく資金調達が可能となり、心理的な負担も大きく軽減されます。過去に金融事故があった方や、まだ十分な信用実績がない創業間もない企業でも利用しやすいのが特徴です。
資金使途自由
ファクタリングで得た資金には、使用目的の制限が一切ありません。これは融資との大きな違いのひとつであり、たとえば以下のような様々な用途に活用できます。
- 支払いのつなぎ資金(家賃、人件費、仕入れ代など)
- 設備投資や広告費の先行投資
- 借入返済の一時的な資金補填
このように、企業が抱える多様な資金需要に柔軟に対応できるのがファクタリングの魅力です。
貸借対照表に影響しない
ファクタリングは、借入ではなく「売掛債権の売却」として処理されるため、貸借対照表上の負債に計上されません。そのため、財務体質を悪化させずに資金調達ができるという点も見逃せないメリットです。
特に銀行からの追加融資や取引先との与信審査などで「自己資本比率」「負債比率」などが重視される場面では、ファクタリングによる資金調達は財務健全性を保つための有効な手段になります。
ファクタリングのデメリット
ファクタリングはスピーディかつ柔軟な資金調達方法として魅力的ですが、当然ながら万能な方法ではありません。利用にはいくつかのデメリットや制約があり、特に長期的な資金調達手段としては不向きな側面もあります。ここでは、ファクタリングを利用する前に理解しておくべき主なデメリットを詳しく解説します。
手数料が高め
ファクタリングの大きなデメリットとして挙げられるのが、手数料の高さです。銀行融資の金利と比べると、ファクタリングの手数料は非常に高めで、年率換算すると10%〜30%程度になることもあります。これはファクタリング会社が売掛金の回収リスクを負うためであり、迅速性や保証不要といった利点の裏返しともいえるでしょう。
特に2社間ファクタリングでは、取引先への通知が行われない分、ファクタリング会社側のリスクが高くなり、結果的に手数料も高めに設定されがちです。単発的な資金調達には適していますが、頻繁に利用すると資金コストが大きな負担になるため、繰り返しの利用には注意が必要です。
調達額が売掛金額に限定
ファクタリングはあくまで「保有している売掛金」を現金化する手法であるため、資金調達額は売掛債権の範囲内に限られます。例えば、1,000万円の資金が必要でも、手元にある売掛金が500万円分しかなければ、それ以上の資金を得ることはできません。
そのため、事業拡大や大型の投資資金といった、多額の資金が必要な場面には不向きな面があります。資金ニーズが大きい場合は、銀行融資や補助金など他の手段と併用することも視野に入れる必要があります。
3社間ファクタリングは取引先に知られる
ファクタリングには2社間と3社間の取引形態がありますが、3社間ファクタリングの場合は売掛先企業(取引先)への通知と同意が必要です。これは、売掛金の回収をファクタリング会社が直接行うためです。
この仕組みにより、取引先に資金繰りの厳しさを知られてしまう可能性があり、「この会社、大丈夫か?」と信用不安を招くリスクもあります。特に新規の取引先や重要な顧客に対しては慎重な対応が求められ、結果としてビジネス関係に悪影響を与える恐れもあります。
ファクタリングについては、こちらの記事でくわしく解説しています。
ファクタリングとは?仕組み【図解付き】・メリット・デメリットを完全解説
大手ファクタリング会社とは?

「大手」の基準
ファクタリング業界において「大手」と呼ばれる会社には、明確な基準はありませんが、一般的に以下のような特徴を持つ会社が大手と見なされています。
- 取引実績が豊富(数万件以上)
- 資本金が大きい
- 従業員数が多い
- 全国展開している
- 大手金融機関やグループ企業の一員
- 長期にわたって事業を展開している(業歴が長い)
これらの特徴を持つ会社は、安定した運営体制と社会的信用を兼ね備えており、ファクタリング利用者にとって安心材料となります。
大手ファクタリング会社の特徴
大手ファクタリング会社には、中小のファクタリング会社と比較して以下のような特徴があります。
高い信用度と透明性
大手ファクタリング会社の最大の特徴は、**「信用力の高さ」**です。長年にわたる業歴や、大手企業グループの一員であることにより、取引先や顧客からの信頼を得やすく、また社会的な評価も高くなります。はじめてファクタリングを利用する事業者にとっては、詐欺的業者に巻き込まれるリスクが低くなるという点で、特に安心できる選択肢となります。
豊富な資金力と大口案件への対応力
また、大手は資金力が豊富であるため、数千万円規模、場合によっては億単位の大型案件にも迅速に対応可能です。中小のファクタリング会社では、資金調達に時間がかかったり、案件自体を断られたりすることがありますが、大手ならばその心配は少ないでしょう。
手数料の安定性と予測しやすさ
中小業者の中には、売掛債権の内容や審査の難易度によって高額な手数料を請求するケースもあります。一方、大手ファクタリング会社では、明確な料金体系と一定の手数料相場が確立されていることが多く、「契約直前になって想定外の手数料を提示された」といったトラブルを避けやすいのがメリットです。
審査は厳しめ、提出書類も多め
ただし注意点として、大手ほど審査が厳格になる傾向があります。取引の透明性を重視するため、必要書類が多く、提出内容の正確性も求められることが一般的です。スピード重視で、多少リスクがあっても早く資金調達したいという場合には、審査の柔軟な中小ファクタリング会社の方が合うこともあります。
サービスの選択肢が豊富
大手ファクタリング会社では、2社間・3社間の基本形に加え、「診療報酬ファクタリング」や「国際ファクタリング」など、業種別・ニーズ別の専門サービスを提供していることが多いです。これにより、自社の事業内容や資金ニーズにぴったり合った商品を選ぶことができるのも、大手ならではの強みといえるでしょう。
大手ファクタリング会社の3つの種類

大手ファクタリング会社は、その成り立ちや系列関係から主に3種類に分類されます。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
独立系ファクタリング会社
独立系ファクタリング会社とは、特定の金融グループや企業の系列に属さず、独立して運営されている会社です。
ポイント
- 審査基準が比較的柔軟
- 入金スピードが速い(最短数時間~当日)
- 2社間ファクタリングに対応している会社が多い
- オンライン完結型のサービスを提供していることが多い
- 個人事業主や小規模事業者にも対応していることが多い
銀行系ファクタリング会社
銀行系ファクタリング会社とは、メガバンクや地方銀行などの銀行が出資・設立したファクタリング会社です。
ポイント
- 信用度が非常に高い
- 手数料が比較的安い(1%~5%程度)
- 大口案件(数千万円~数億円規模)に強い
- 審査が厳格(銀行融資に近い審査基準)
- 3社間ファクタリングが主流
- 海外取引の売掛金にも対応可能(国際ファクタリング)
ノンバンク系ファクタリング会社
ノンバンク系ファクタリング会社とは、信販会社やリース会社、消費者金融などの金融機関(銀行以外)が運営するファクタリング会社です。
ポイント
- 銀行系よりも審査基準が柔軟
- 独立系よりも手数料が安定している
- 3社間ファクタリングを主に取り扱う
- 独自の審査基準を持つ場合が多い
- 親会社の事業内容によって得意分野が異なる
独立系ファクタリング会社おすすめ5選

独立系ファクタリング会社は、銀行やノンバンクに属さない民間企業が運営しており、審査が柔軟でスピード重視の資金調達が可能なのが特長です。特に、取引先に知られずに資金化できる2社間ファクタリングに強く、個人事業主や小規模事業者でも利用しやすいという利点があります。
QuQuMo(株式会社アクティブサポート)

会社名 | QuQuMo(株式会社アクティブサポート) |
資本金 | 1000万円 |
設立 | 2017年9月 |
代表取締役 | 羽田 光成 |
本社住所 | 東京都豊島区南池袋二丁目13番10号 |
QuQuMoのファクタリングは、オンライン完結で最短2時間のスピード資金調達が可能なサービスです。 取引先に通知されない2社間契約を採用し、金額上限なし・低手数料(最大1%~)で利用できる点が魅力。
法人だけでなく個人事業主も対応可能で、債権譲渡登記不要のため信用情報に影響を与えません。必要書類は「請求書」と「通帳」の2点のみとシンプルで、スムーズな手続きが可能です。
QuQuMoの評判やメリット・デメリットについてはこちらの記事でくわしく解説しています。
QuQuMo(ククモ)の評判は?利用者のリアルな口コミとメリット・デメリットを徹底解説!
株式会社アクセルファクター

会社名 | 株式会社アクセルファクター |
資本金 | 2億7052万円 |
設立 | 2018年10月 |
代表取締役 | 本成 善大 |
本社住所 | 東京都新宿区高田馬場1-30-4 |
アクセルファクターは、総資本2.88億円・全13事業を展開するネクステージグループの一員として、信頼性と業界知識の深さを活かしたファクタリングサービスを提供しています。
審査通過率93.3%と業界でもトップクラスの柔軟な審査基準を採用し、銀行融資や他社で断られた企業でも利用しやすいのが強みです。手数料は業界最安水準の2.0%~で、早期申込割引を導入し、入金希望日が30日以上で1%、60日以上で2%の手数料割引が適用されます。
アクセルファクターの評判やメリット・デメリットについてはこちらの記事でくわしく解説しています。
アクセルファクターの評判は?利用者のリアルな口コミとメリット・デメリットを徹底解説!
Easy factor(株式会社No.1)

会社名 | 株式会社No.1 |
資本金 | 8000万円 |
設立 | 2016年1月 |
代表取締役 | 濵野 邦彦 |
本社住所 | 東京都豊島区池袋4丁目2−11 CTビル3F |
Easy factorでは、無料WEB会議アプリ「Zoom」を活用したオンライン面談と、弁護士ドットコム株式会社提供の「CLOUDSIGN」を利用したオンライン契約により、申し込みから契約まで全てオンラインで完結できます。
手数料は2%~8%と業界内でも低水準で、上限が明確に設定されているため安心して利用可能。さらに、最短60分で資金調達が可能なスピーディーな対応が強みです。
トラストゲートウェイ

会社名 | 株式会社トラストゲートウェイ |
資本金 | 8000万円 |
設立 | 2017年2月 |
代表取締役 | |
本社住所 | 福岡県福岡市中央区大名2丁目2番42号 ケイワン大名402号 |
トラストゲートウェイは、審査通過率95%と柔軟な審査で資金調達しやすいのが強みです。
また、手数料率は、1.5%~9.5%と業界でも最安の水準を誇ります。手数料の上限値が10%を切るファクタリング会社はなかなかないので、乗り換えでも検討してみる価値ありです。
ベストファクター(株式会社アレシア)

会社名 | 株式会社アレシア |
資本金 | 7000万円 |
設立 | 2017年1月 |
代表取締役 | 班目 裕樹 |
本社住所 | 東京都新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー24階 |
ベストファクターの審査通過率は92.2%と非常に高く、多くの利用者が審査を通過できるのが特長です。
個人事業主や設立間もない法人、他社で審査に落ちた方でも利用できた実績が多く報告されています。この高い審査通過率により、幅広い事業者が安心して資金調達を依頼できるファクタリング会社です。
独立系ファクタリング会社のおすすめについてはこちらの記事でランキング形式で紹介しています。
ファクタリング会社のおすすめ【最新】ランキング10選
銀行系ファクタリング会社おすすめ5選

銀行系は信頼性が高く、大口案件や手数料の安さを重視する方におすすめです。
三菱UFJファクター
三菱UFJファクターは、三菱UFJフィナンシャル・グループの一員として、高い信用力と安定性を誇るファクタリング会社です。取引形態やニーズに応じて、以下のような多様なファクタリングサービスを提供しています。
主な特長
- 「根保証」や「下請債権保全支援事業」、「国際ファクタリング」など、企業の状況に合わせたサービスを展開
- 売掛先が倒産した場合でも、保証限度額の範囲内で100%保証される安心の仕組みを整備
- 海外取引にも対応可能で、国際ファクタリングによりグローバルな資金調達やリスクヘッジを実現
- 売掛先の与信管理やリスク回避に関するトータルサポートも提供
これらのサービスにより、企業は資金繰りの安定化だけでなく、取引先の信用リスクにも柔軟に対応できる体制を構築できます。
みずほファクター
みずほファクターは、みずほフィナンシャルグループの一員として、高い信用力と安心感を提供するファクタリング会社です。国内外を問わず、さまざまな企業ニーズに応えるサービスを展開しています。
主な特長
- 国内・国際ファクタリングをはじめ、回収保証、債権流動化、電子債権決済など、多岐にわたるサービスを提供
- 大口のファクタリングにも対応しており、中小企業から大企業まで柔軟にサポート
- 取引先ごとに保証の有無を選択できる「回収保証」は、与信リスクに応じた柔軟な運用が可能
- 国際ファクタリングでは、国際的なファクタリングネットワーク「FCI」を活用し、信用状よりも迅速な資金化を実現
- 保証の利用について、取引先に通知されない仕組みとなっており、取引関係を損なうことなく活用可能
このように、みずほファクターは幅広いサービスと高い柔軟性を兼ね備えたファクタリングパートナーとして、多くの企業に選ばれています。
SMBCファイナンスサービス
SMBCファイナンスサービスは、三井住友フィナンシャルグループに属するファクタリング会社で、銀行系ならではの高い信頼性と安心感を提供しています。多様な業種や取引形態に対応したファクタリングサービスを展開しており、特に以下のような特徴があります。
主な特長
- ノンリコース手形買取に対応しており、償還請求権のない形式で受取手形を買い取るため、手形不渡りのリスクを回避可能
- 保証型ファクタリングにより、国内外の売掛債権に対する保証を提供し、取引先の信用リスクを軽減
- 建設業向けの支援が充実しており、「下請債権保全支援事業」や独自の建設債権保証サービスなど、業界特有のニーズにも対応
このように、SMBCファイナンスサービスはリスク対策を重視したファクタリングを提供しており、特に手形取引や建設業界との関係が深い企業にとっては、心強いパートナーとなるでしょう。
りそな決済サービス
りそな決済サービス(りそな一括ファクタリング)は、ファクタリングの仕組みを活用して仕入先への支払い業務を代行するサービスです。支払手形の代替手段として注目されており、企業の経理業務効率化に貢献します。
主な特長
- 手形レスで支払を実現するため、印紙税や手形管理にかかる事務コストを削減
- 盗難・紛失など、手形に特有のリスクも回避できる
- 納入企業にとってもメリットがあり、手形割引と比べて金利が低く、一部前払いなど柔軟な資金化も可能
- サービス導入には支払企業側の事前審査が必要で、あわせて法令順守への配慮も求められる
このように、りそな一括ファクタリングは、支払企業と納入企業の双方にとって効率的かつ安全な決済手段を提供するソリューションです。
浜銀ファイナンス
浜銀ファイナンスは、横浜銀行グループに属する地方銀行系のファクタリング会社です。地銀系では珍しく本格的なファクタリングサービスを提供しており、特に横浜銀行をメインバンクとする企業との親和性が高いのが特長です。
主な特長
- 主に3社間ファクタリングを提供しており、売掛先への通知は行われるものの、横浜銀行グループという知名度の高い企業からの通知のため、取引先に不信感を与えにくい
- 売掛債権を早期に資金化することで、オフバランス効果が得られ、財務指標の改善や資金調達手段の多様化にもつながる
- 一方で、審査は比較的厳格で、資金化までに1〜2週間程度かかるケースもあるなど、スピード感にはやや課題あり
- サービスは既存の横浜銀行および浜銀ファイナンスの取引先を中心に展開されており、担当者による丁寧できめ細かな対応が強み
このように、浜銀ファイナンスは信頼性を重視する企業に適したファクタリングサービスを提供しており、地域に根ざした堅実な金融支援を行っています。
ノンバンク系ファクタリング会社おすすめ5選

ノンバンク系は銀行系と独立系の中間的な位置づけで、バランスの取れたサービスが特徴です。
オリックスファクタリング
オリックスファクタリングは、医療・介護・調剤報酬債権に特化したファクタリングサービスを提供しています。病院や介護事業所、薬局などが持つ診療報酬や介護報酬、調剤報酬債権の買取に強みがあり、これらの業界における資金繰り改善に貢献します。割引料率も比較的低く、長期的に安定した資金化が可能です。また、財務健全化や倒産リスクの回避など、経営面のメリットも大きい一方で、資金化までには一定の時間を要します。
主な特長
- 医療・介護・調剤報酬債権に特化:病院・介護施設・薬局などの報酬債権の買取に対応。
- 高い買取率・安定した資金化:割引料率は約1.0%。月額300万円以上の債権が対象で、1年契約・自動更新にも対応。
- キャッシュフロー改善とバランスシートのスリム化:期日前に資金化することで、財務指標の改善に寄与。
- 連帯保証人不要・ノンリコース型:売掛先の倒産リスクを回避できる仕組み。
- 資金化までにやや時間がかかる:最短でも10日程度かかることが多く、スピードより信頼性・安定性を重視する企業に適している。
主な特徴
AGビジネスサポート(旧:アイフルビジネスファイナンス)
AGビジネスサポートは、スピーディな資金調達と柔軟な審査体制を特徴とするファクタリングサービスです。請求書1枚から最短即日で資金化が可能で、WEB申込によって全国どこからでも利用できます。2社間・3社間ファクタリングに対応しており、利用者の事情に合わせた形態を選択可能です。加えて、赤字決算や債務超過といった状況でも審査を通過できる可能性があり、幅広い事業者の資金繰りを支援します。さらに、売掛債権の完全買取型を採用しているため、売掛先の倒産リスクを気にせず利用できるのも魅力です。
主な特長
- 最短即日資金化のスピード対応:請求書1枚から資金調達が可能。WEB申込・来店不要で全国対応。
- 2社間・3社間取引に対応:取引先に知られずに利用できる2社間取引や、手数料が抑えられる3社間取引を選択可能。
- 審査が柔軟:赤字決算・債務超過・開業1年未満・税金未納といったケースでも、独自審査により買取を検討。
- 完全買取型でリスクヘッジ:売掛先の倒産リスクは同社が負担し、利用者は責任を負わない仕組み。
- 上場グループの安心感:アイフルグループの信頼と実績に基づくサービスで、個人事業主・中小企業の資金繰りを支援。
GMOBtoB早払い
GMO BtoB早払いは、注文書の段階で資金化ができる独自のサービスです。従来のファクタリングでは請求書が必要とされていましたが、本サービスでは受注段階から資金調達が可能となっており、早期のキャッシュ確保を実現します。また、オンライン完結型のため、手続きの手間も少なく、急な資金ニーズにも柔軟に対応できます。
主な特長
- 注文書ベースでの資金化が可能:請求書の発行前、受注段階の「注文書」をもとに資金化ができる。
- 早期の資金調達が可能:請求書発行を待たずに資金確保ができるため、突発的な資金需要にも対応。
- オンライン完結:審査・契約などすべての手続きがオンラインで完了し、スピーディーかつ利便性が高い。
三田証券
三田証券は、医療機関を対象とした診療報酬ファクタリングに特化したサービスを展開しています。診療報酬債権の確実性の高い性質を活かし、優れた条件での資金化を実現。特に、設備投資や経営改善など、大規模な資金ニーズに対しても柔軟に対応できる点が強みです。また、契約形態としては、保険者も含めた3社間ファクタリングを採用しており、信頼性の高い取引を可能にしています。
主な特長
- 医療機関向け診療報酬ファクタリングが主力:医療機関が保有する診療報酬債権を買い取り、早期資金化を支援。
- 高い買取率と柔軟な審査:支払いの確実性が高い診療報酬債権により、有利な条件での資金調達が可能。
- 大規模資金調達にも対応:医療機関の設備投資や経営改善など、大口の資金ニーズにも柔軟に対応。
- 3社間ファクタリングを採用:医療機関・保険者・三田証券の三者で契約を結ぶことで、信頼性の高い取引を実現。
JA三井リース
JA三井リースは、売掛債権や手形債権の早期資金化を通じて、企業のキャッシュフロー改善をサポートするファクタリングサービスを提供しています。特にノンリコース型によるリスク回避や、バランスシートのスリム化に貢献する仕組みが特徴です。3社間ファクタリングを中心とし、取引先への通知も正式な形で行うことで透明性を重視。主に既存のリース契約先を対象に展開されており、大企業や中堅企業に多く利用されています。リースを中心とした多角的な金融サービスを展開している大手ならではの信頼性と専門性も魅力のひとつです。
主な特長
- 売掛債権・手形債権の早期資金化:期日前に債権を買い取り、資金繰りを円滑に。
- オフバランス化とリスク回避:ノンリコース型で売掛先の倒産リスクを回避し、財務体質を改善。
- 3社間ファクタリングが中心:内容証明郵便などで売掛先に通知を行い、取引の透明性を確保。
- 既存顧客中心のサービス展開:主に既存のリース契約企業向けに提供。利用企業は大企業・中堅企業が中心。
- 大手ならではの信頼性と専門性:幅広い金融サービスの一環として、資産管理や資金調達に関する専門的なアドバイスも可能。
ノンバンク系ファクタリングは、銀行系に比べて審査や資金化のスピード、柔軟性が高い点が大きな特長です。
オリックスや三田証券は医療・介護分野に強みを持ち、JA三井リースは大手リース会社ならではの信頼性とオフバランス効果を提供します。
一方、アイフルビジネスファイナンスやGMO BtoB早払いは、スピードや利便性、柔軟な審査で中小企業や個人事業主の資金ニーズに幅広く対応しています。
大手ファクタリング会社を利用するメリット・デメリット

大手ファクタリング会社を利用するにもメリット・デメリットがあります。
メリット
メリットとしては、以下の4つが挙げられます。
メリット
- 高い信頼性と安心感
- 安定した手数料設定
- 大口の資金調達に対応
- 多様なサービス提供
それぞれくわしく解説します。
高い信頼性と安心感
大手ならではの実績と体制により、安心して取引ができる環境が整っています。
- 実績が豊富で倒産リスクが低い
- 違法な取り立てや不当な契約変更などのリスクが少ない
- 契約内容が明確で透明性が高い
安定した手数料設定
手数料面でも、大手ファクタリング会社には安心材料があります。
- 極端に高い手数料を請求される可能性が低い
- 手数料体系が明確で追加料金が発生しにくい
- 3社間ファクタリングでは特に手数料が低くなりやすい
大口の資金調達に対応
中小企業はもちろん、大企業や成長フェーズの企業にも対応できる資金力が魅力です。
- 数千万円~数億円規模の大きな債権にも対応可能
- 継続的な取引にも応じてくれることが多い
- 複数の取引先の売掛金をまとめて買い取ってもらえる可能性がある
多様なサービス提供
資金調達だけでなく、経営全体をサポートするサービスも充実しています。
- 複数のファクタリング商品から選択できる
- 与信管理や債権回収代行などの付加価値サービスがある
- 海外取引の売掛金にも対応可能なケースがある
このように、大手ファクタリング会社は「信頼性・手数料・対応力・サービスの多様性」の点で多くのメリットがあり、特に継続的に利用したい企業にはおすすめの選択肢と言えるでしょう。
デメリット
一方デメリットとしては、以下のの5つが挙げられます。
デメリット
- 審査が厳格
- 手続きが煩雑
- 小口案件に非対応
- スピード面での劣位
- 2社間ファクタリングに非対応
審査が厳格
大手ファクタリング会社は、取引の安全性を重視しているため、審査が比較的厳しく設定されています。
- 必要書類が多い
- 審査通過率が低い傾向にある
- 設立間もない会社や業績の悪い会社は利用しづらい
手続きが煩雑
中小のファクタリング業者と比べて、手続きの簡便さに欠ける場合もあります。
- 契約手続きに時間がかかる
- 対面での契約を求められることが多い
- 必要書類の準備に手間がかかる
小口案件に非対応
大手ファクタリング会社は比較的規模の大きな案件を前提としているため、少額の資金調達では断られることがあります。
- 最低買取額が高く設定されていることが多い(100万円以上など)
- 少額の資金調達には向いていない
- 個人事業主やフリーランスには利用条件が厳しいケースが多い
スピード面での劣位
「大手=速い」と思われがちですが、スピード面では中小業者に比べて不利になることもあります。
- 審査から入金までに時間がかかる(数日~1週間程度)
- 即日入金に対応していない会社も多い
- 急ぎの資金調達には不向きな場合がある
2社間ファクタリングに非対応
「売掛先に知られたくない」というニーズには、大手では応じにくいケースもあります。
- 特に銀行系は3社間ファクタリングが主流
- 取引先に知られずに資金調達したい場合には選択肢が限られる
大手ファクタリング会社の選び方・比較ポイント

自社に最適な大手ファクタリング会社を選ぶためには、以下のポイントを比較・検討することが重要です。
取引形態:2社間か3社間か
ファクタリングには、売掛先に通知を行う「3社間ファクタリング」と、通知せずに取引できる「2社間ファクタリング」があります。自社の事情やニーズに応じて、どちらの取引形態が適しているかを見極めましょう。
- 2社間ファクタリングを希望する場合:独立系ファクタリング会社が選択肢になります。取引先に知られずに資金調達したい場合に適しています。
- 3社間ファクタリングでも問題ない場合:銀行系やノンバンク系も含めて幅広く検討できます。手数料を抑えたい場合は3社間が有利です。
手数料の比較
ファクタリング手数料は、会社によって大きく異なります。単に「何%か」だけでなく、その内訳や体系にも注目しましょう。
- 手数料率:一般的に、大手では2%~15%程度が相場です。特に銀行系は手数料が低い傾向にあります。
- 手数料体系:定率制(買取金額に対する一定割合)か定額制(固定金額)か、また基本料金や事務手数料などの追加費用があるかを確認しましょう。
- 初回割引:初回利用時に手数料割引を行っている会社もあります。
入金スピード
「いつ資金が必要か」によって、選ぶべき会社は変わります。スピード重視なら、即日対応可能な会社を選びましょう。
- 即日入金:急ぎの資金調達が必要な場合は、即日または数時間以内の入金に対応している会社を選びましょう。主に独立系が得意としています。
- 数日以内の入金:急ぎでなければ、銀行系やノンバンク系も選択肢に入れられます。
買取限度額(対応金額)
希望する資金調達額が、各社の買取対応金額の範囲に収まっているかも確認ポイントです。
- 最低買取額:小口の資金調達を希望する場合は、最低買取額が低い会社を選びましょう。独立系では10万円~から対応している会社もあります。
- 最大買取額:大口の資金調達を希望する場合は、数千万円以上の買取に対応している銀行系やノンバンク系が適しています。
必要書類と審査基準
できるだけ手間を減らしたい場合や、業績に不安がある場合は、審査や書類のハードルが低い会社を選ぶのがポイントです。
- 必要書類の少なさ:手続きを簡略化したい場合は、必要書類が少ない会社を選びましょう。
- 審査の柔軟性:業績や財務状況に不安がある場合は、審査基準が比較的緩やかな独立系が適しています。
対応している業種・事業形態
ファクタリング会社によっては、対象とする業種や事業形態が限定されている場合があります。
- 個人事業主対応:個人事業主やフリーランスの場合は、それらに対応している会社を選ぶ必要があります。
- 業種特化型:医療、建設、IT、運送など特定の業種に特化したサービスを提供している会社もあります。
契約方式
手続きの進め方も、利用者にとっての大きな利便性に直結します。
- オンライン完結型:来店不要でオンラインで完結できるサービスを希望する場合は、そのような契約方式に対応している会社を選びましょう。
- 対面契約:直接担当者と話しながら進めたい場合は、対面での契約に対応している会社が適しています。
償還請求権(リコース)の有無
売掛先が倒産した場合のリスクを誰が負うのかは、ファクタリングの大きな違いの一つです。
- ノンリコースファクタリング:売掛先が倒産しても買戻し義務が発生しない、償還請求権なしのファクタリングを選ぶと安心です。
- リコースファクタリング:売掛先からの入金がない場合、買戻し義務が発生するタイプは避けた方が無難です。
まとめ
資金繰りに悩む中小企業や個人事業主にとって、スピーディかつ柔軟に現金を確保できる手段として注目されているのがファクタリングです。
特に安心感や信頼性を重視するなら、「大手ファクタリング会社」の利用が有力な選択肢となります。大手は取扱件数や実績が豊富で、審査や契約手続きもシステム化されており、初めての利用でもスムーズです。
また、2社間・3社間・医療型・国際型など多様なファクタリングに対応し、ニーズに応じた最適なプランを提案してくれるのも特徴です。さらに、手数料の透明性や情報保護体制の整備など、健全な運営体制を整えている点も安心材料と言えるでしょう。
一方で手数料は中小業者よりやや高めになる傾向があるため、コストとのバランスを見極めることも重要です。総じて、大手ファクタリング会社は「信頼性」と「実績」を重視する方にとって心強い選択肢です。