個人事業主にとって、確定申告や経理を税理士に依頼する場合、どのくらい費用がかかるのかは非常に気になるポイントです。一般的に税理士の数は多く、料金設定が幅広いため、「高すぎるのか」「安すぎるのか」が分かりにくいという声も少なくありません。
そこで本記事では、三重県の複数の税理士事務所の料金データをもとに、リアルな相場を徹底分析しました。さらに、調査時の条件を明示することで、読者が自身の事業に置き換えて参考にしやすい内容にしています。
この記事で分かること
- 三重県の個人事業主が依頼した場合の税理士費用のリアルな相場
- 顧問契約とスポット契約の違いと料金帯
- 相場より高い・安い税理士の特徴
- 自分に合った税理士選びのポイント
この記事を読むことで、「自分の場合、どのくらいの費用が妥当か」が明確になります。
全国の相場はこちらの記事で紹介しています。
確定申告の税理士費用はいくら?全国相場を徹底調査
三重県の税理士費用の相場
相場の調査は税理士・会計事務所でホームページで公開されている料金表をもとに顧問契約とスポット契約で収集しました。
- 顧問契約:毎月の経理サポート+決算申告
- スポット契約:年1回の確定申告のみ
顧問契約の相場
顧問契約の相場は、依頼者が以下の条件である場合を想定して、料金表を収集しました。「同じ条件ならどれくらいかかるか」が分かるようにしています。
依頼者の想定条件
- 個人事業主(サービス業)
- 売上高1,000万円未満
- 青色申告(65万円控除)
- 消費税は免税事業者(非課税)
- 記帳代行込み(月間100仕訳程度)
- 面談あり(概ね毎月1回)
| 地域 | 事務所名 | 顧問料(月額) | 決算料 |
| 鈴鹿市 | T税理士事務所 | ¥27,500 | ¥44,000 |
| 津市 | K税理士事務所 | ¥28,000 | ¥120,000 |
| 伊勢市 | N税理士事務所 | ¥13,000 | ¥50,000 |
| いなべ市 | S税理士事務所 | ¥22,000 | ¥110,000 |
| 鈴鹿市 | T税理士事務所 | ¥22,200 | ¥111,000 |
| 北牟婁郡紀北町 | S税理士事務所 | ¥26,400 | ¥88,000 |
| 桑名市 | D税理士事務所 | ¥14,300 | ¥55,000 |
| 四日市市 | M会計事務所 | ¥11,000 | ¥55,000 |
| 員弁郡東員町 | Y税理士事務所 | ¥16,500 | ¥55,000 |
| 四日市市 | M税理士・行政書士事務所 | ¥27,500 | ¥132,000 |
| 四日市市 | A税理士事務所 | ¥22,000 | ¥88,000 |
| 津市 | 税理士法人M | ¥33,000 | ¥132,000 |
年間で換算すると、20〜30万円前後 が目安となります。
なお、記帳量が多い事業者や訪問サポートが手厚い場合は月額3万円以上になることもあります。
スポット契約の相場
スポット契約の相場は、依頼者が以下の条件である場合を想定して、料金表を収集しました。「同じ条件ならどれくらいかかるか」が分かるようにしています。
依頼者の想定条件
- 個人事業主(サービス業)
- 売上高1,000万円未満
- 青色申告(65万円控除)
- 消費税は免税事業者(非課税)
- 記帳代行込み(年間1,200仕訳程度)
| 地域 | 事務所名 | 料金 |
| 津市 | K税理士事務所 | ¥80,000 |
| 伊賀市 | K税理士事務所 | ¥350,000 |
| 伊勢市 | S税理士事務所 | ¥198,000 |
| 四日市市 | M税理士事務所 | ¥120,000 |
顧問契約の相場をデータから分析
顧問契約の相場を月額料金と決算料ごとに料金の分布で見ると以下のとおりです。
月額料金の料金帯の分布
| 最安値 | 最高値 | 平均 |
| 11,000円 | 33,000円 | 21,950円 |
標準的な個人事業主の場合は、月額1〜2万円を目安に考えると良いでしょう。
高額帯の事務所は、訪問頻度が多く経営アドバイスや請求書管理まで含むなど、サポートが手厚い場合に該当します。
決算料の料金帯の分布
| 最安値 | 最高値 | 平均 |
| 44,000円 | 132,000円 | 86,667円 |
決算料は、一般的に顧問料(月額)の3~4ヶ月分が相場です。
顧問契約が向いている人
以下の4つにあてはまる場合、顧問契約がおすすめです。
- 経理や帳簿管理が苦手で毎月任せたい
- 節税や資金繰りについて相談したい
- 税務調査のリスクを抑えたい
- 手間をかけずに申告を済ませたい
スポット契約の相場をデータから分析
スポット契約の料金帯の分布
スポット契約の相場の料金帯の分布は以下のとおりです。
| 最安値 | 最高値 | 平均 |
| 80,000円 | 350,000円 | 187,000円 |
料金が高めの事務所は、丁寧なチェックや相談対応など、質の高いサービスを維持するために専門スタッフを揃え、リスク管理をしっかり行っている傾向があります。
スポット契約が向いている人
以下の4つに当てはまる場合、スポット契約がおすすめです。
- 年1回だけ税理士にチェックしてほしい
- 普段は自分で帳簿をつけている
- 顧問契約ほど手厚いサポートは不要
- 開業したばかりでコストを抑えたい
税理士費用を左右するポイントと失敗しない選び方
相場より安い・高い税理士の特徴
税理士費用は「安いから悪い」「高いから良い」と単純に判断できるものではなく、サービス内容や税理士側の方針によって大きく変動します。
相場より安い税理士の特徴
- サービス内容の限定
提供するサービスを必要最低限に絞ることで費用を抑えています。
- 価格競争戦略
市場での優位性を保つために意図的に低価格設定をしています。
- 創業時の特別価格
新規顧客獲得のため、期間限定で格安料金を設定している場合があります。
相場より高い税理士の特徴
- 手厚いサポート
やり取りの頻度が多く、いつでも気兼ねなく相談できる体制が整っています。
- 経験と専門性
ベテラン税理士は専門知識が豊富で、その分報酬も高くなる傾向にあります。
- 業務範囲の広さ
依頼する業務内容や範囲が広いほど費用が高くなります。
税理士費用はサービス内容や方針で大きく変動します。安い場合はサービスを絞る・価格戦略・創業特価などが要因で、高い場合は手厚い対応、専門性、業務範囲の広さが影響します。
税理士費用を抑えるコツ
個人事業主が税理士費用を抑えるためには、いくつかの工夫が効果的です。具体的な方法は以下の通りです。
- 業務の切り分け
自己管理できる業務と専門家に依頼すべき業務を明確に分けることが重要です。
- 記帳作業を自分で行う
日常の帳簿付けを自分で実施することで費用を削減できます。
- 繁忙期を避けて早めに依頼
税理士の忙しい時期を避けることで、より良い条件で契約できる可能性があります。
- オンライン対応を利用
非対面でのサービスを選択することで費用を抑えられます。
- 複数の税理士を比較検討
数人の税理士の料金や内訳を比較し、報酬交渉を行うことが推奨されます。
税理士を選ぶときの注意点
税理士選びで最も避けたいのは「料金の安さだけで決めて後悔する」ことです。安さに惹かれて契約しても、サポートが不十分でトラブルになるケースもあります。料金だけで判断せず、サービス内容や相談しやすさを総合的に見極めることが大切です。
ポイント
- 自分に合うかを見極める
相性や対応の丁寧さも重要な要素です。税理士とは長期的な関係になるため、コミュニケーションがスムーズに取れるかを確認しましょう。
- 契約内容を明確にする
契約書で業務内容と料金を明確に確認することが不可欠です。税務申告以外の追加費用の条件や範囲が曖昧だとトラブルの原因になります。
- 必ず面談を行う
契約前に必ず面談を実施し、実際に話してみることが推奨されます。
- 事業規模に応じた判断
現在の事業規模や形態によって税理士の必要性が変わるため、自社の状況を考慮して選びましょう。
料金だけで判断せず、サービス内容と自分の事業スタイルを照らし合わせることが大切です。
相場を知って最適な税理士選びを
税理士費用の相場を正しく知ることは、無駄な支出を避けつつ、安心して経理や申告を任せるための重要なステップです。
税理士費用は、サービス内容によって大きく差が出ます。
まずは、あなた自身の事業規模や希望するサポート範囲を整理し、「毎月しっかり任せたいのか」「年1回だけ依頼したいのか」を明確にするところから始めましょう。
気になる税理士が見つかったら、料金だけで判断せず、必ず面談を申し込み、対応の丁寧さや相性を確かめることが大切です。
また、複数の税理士を比較すれば、あなたにとって最適な料金とサービスのバランスが見えてきます。
この記事を参考に、まずは2〜3名の税理士へ問い合わせてみてください。行動を起こすことで、「費用の不安」が「納得と安心」に変わり、あなたの事業に合った最良のパートナーを見つける第一歩になります。
