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資金調達

創業融資は返済不要で借りられる?その真実と代替策を解説

2025年2月11日

井手 昭仁

税理士事務所で約20年にわたり勤務し、税務申告や税務調査の立ち会い、開業手続き、融資サポートなど幅広い実務を経験。これらの知見をもとに、起業家向けに、業界経験者ならではの専門的な視点と、客観的な視点の双方から、有益な情報を発信しています。

「返済不要の創業融資」――そんな夢のような制度を目にして、思わず惹かれてしまった方も多いのではないでしょうか。

しかし実際のところ、世の中に本当に返済しなくてもよい融資などあるのでしょうか?

本記事では、巷で噂される「返済不要の創業融資」の実態を徹底解説し、返済負担を軽減できる具体的な制度や、完全に返済不要となる補助金・助成金などの活用方法までまとめて紹介します。

創業期の資金調達に頭を抱えている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

そもそも「返済不要の創業融資」はあるのか?

創業にあたって資金を調達する際、最初に思い浮かぶのは銀行や公的金融機関からの「融資」ですが、インターネット上では「返済不要の創業融資」といった言葉を目にすることもあるかもしれません。

結論からいうと、「融資」という仕組みそのものが“借金”である以上、返済義務が完全になくなる制度は基本的に存在しません。本章では、「返済不要の創業融資」がなぜないのか、また「返済不要」と誤解されやすい事例について解説します。

結論:返済不要の創業融資は存在しない

融資とは、公的機関(日本政策金融公庫や地方自治体の制度融資)・民間金融機関(銀行や信用金庫など)いずれによるものであっても、原則として「借りたお金を一定の期間内に利息とともに返済する」という契約行為です。

したがって「返済不要」である融資は定義上成立しません。

  • 公的融資: 政策上、低金利や連帯保証人不要などの優遇がある場合も多いですが、返済義務がなくなるわけではありません。
  • 民間融資: 金利や条件は各金融機関によって異なりますが、契約上の返済条件が設定されているため、当然返済が必要です。

「返済不要」とうたう広告や個人間融資には詐欺の可能性もあるため注意が必要

インターネットやSNSなどで「返済不要」と明示している広告や個人間融資の募集を見かけることがありますが、高金利や手数料を不当に取られる、さらには詐欺被害に巻き込まれるといったリスクが非常に高いです。そもそも融資である以上、貸し手側が利益を得る仕組みが必要なため、完全な返済不要をうたうのは異常であり、不自然だと言えます。こうした誘い文句には十分警戒しましょう。

返済不要と思いがちな事例と誤解

融資には返済据え置き期間があるものがあり、返済不要のように誤解されることがあります。

「資本性ローン」の返済据え置き期間と「返済不要」は別物

公的融資の一部である「資本性ローン(挑戦支援資本強化特例制度など)」では、長期間の据置(すえおき)期間が設定されているため、一見すると「しばらく返済しなくてもよいから返済不要なのでは?」と誤解されがちです。
しかし、据置期間というのは「一定期間だけ利息や元本の返済が猶予される」制度であって、期間終了後には元本を含めた返済義務が必ず発生します。

  • 返済方法の特徴: たとえば10年間の据置期間の後、期日一括で返済する…など一定のルールがある
  • 金利の仕組み: 業績が良いと金利(利率)が高くなり、悪化すると金利が低くなるなど、条件に応じて支払い負担が変化する

一時的に利息や元本の支払いを猶予できても、最終的には返済義務がある

上述の資本性ローンに限らず、普通の融資でも据置期間を設けたり、返済計画を変更して一部猶予を受けたりすることは可能です。ただし、これらはあくまで一時的な措置です。結果的に「元本+利息を返済する義務」は最後まで消滅することはありません。「返済義務が後回しになるだけで、不要になるわけではない」と理解しておきましょう。

実は返済負担を抑えられる制度はある

「返済不要」自体は存在しませんが、創業融資には返済負担を軽減できる仕組みがいくつか存在します。代表的なものを以下に挙げます。

利子補給制度や据置期間などを活用すると返済の負担を軽減できる

  • 利子補給制度: 地方自治体や公的機関によっては、一定期間の利息を補填(利子補給)してもらえる場合があります。金利の全額または一部を負担してくれるため、実質的な金利負担を大幅に下げられることがあるのです。
  • 据置期間: 創業直後は売上が安定しにくいため、資金繰りを圧迫しないように元金返済を数か月から1年程度据え置く制度があります。最初から返済が始まらないので、創業初期の負担を減らせるのがメリットです。

代表者保証が不要な制度を選べばリスク低減も可能

融資の大きなハードルに**「代表者の個人保証」があります。万が一、返済が滞った場合に個人の資産が差し押さえられる**リスクがあるため、創業期の不安要素になるケースが多いです。

  • 連帯保証人不要の制度融資: 国や自治体が支援する制度のなかには、創業者本人の連帯保証を免除しているものも存在します。
  • 保証協会付き融資: 保証協会が保証人の役割を果たすため、代表者保証の負担が軽減される仕組みです。

こうした制度を上手に活用すれば、「返済不要」というわけではないものの、創業時の金銭的・心理的リスクを抑えられるでしょう。結果として、返済を滞りなく継続しやすくなり、事業の成長に専念しやすい環境づくりに役立ちます。

返済負担を軽減できる創業融資の制度・ポイント

創業時に融資を利用する場合、「返済しやすい条件」や「返済負担を軽減できる仕組み」のある制度を選ぶことで、資金繰りに余裕を持ったスタートを切ることができます。代表的な制度やポイントを以下にご紹介します。

日本政策金融公庫の「新規開業資金」

創業融資といえば、まず思い浮かぶのが日本政策金融公庫の「新規開業資金」です。

  • 低金利・長期返済が可能
    一般的な民間金融機関の融資と比べて、比較的低金利で長期返済に対応してもらえます。創業直後は売上が安定せずキャッシュフローに余裕がないケースが多いですが、低い金利と長めの返済期間設定で、月々の返済負担を抑えやすいのが大きなメリットです。
  • 無担保・無保証人で借りられるケースもある
    通常、融資を受ける際は代表者や第三者の連帯保証人を求められたり、担保を求められたりします。しかし、新規開業資金制度では、実績や事業計画などが認められれば、無担保・無保証人で借りられる枠が用意されています。初期投資が多い創業期には非常に心強い制度です。

挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)

日本政策金融公庫が取り扱う資本性ローンの一種で、正式名称は「挑戦支援資本強化特例制度」です。

  • 10年据置き・期日一括返済が特徴
    通常の融資では毎月元本と利息を分割で返済しますが、この制度の場合は最大10年間の返済据置期間が設定されており、満期時に一括返済となるのが特徴です。創業からしばらくは返済に追われずに事業に集中できる利点があります。
  • 業績悪化時は利息負担が軽減されるが、好調時には利息が高くなるデメリットも
    資本性ローンは、企業の業績に応じて利率が変動します。業績が良いほど利息が上昇し、業績が悪いと利息が低く抑えられるという仕組みです。事業が軌道に乗って売上が伸びると、金利負担が大きくなる点には留意が必要です。また、審査に時間や手間がかかるデメリットもあるため、申し込みの際にはスケジュールに余裕をもって取り組みましょう。

信用保証協会の制度融資

「信用保証協会」は、中小企業が融資を受けやすくするために保証を提供する公的機関です。

  • 連帯保証人不要の枠など条件によって負担を軽減
    融資を受ける際、信用保証協会が借入金の保証人になることで、代表者個人の連帯保証を不要にできるケースがあります。個人資産へのリスクを軽減できるため、創業時に大きな不安要素となる「代表者保証」の問題をある程度クリアできます。
  • 中小企業向けに各都道府県や自治体ごとに制度が異なる
    信用保証制度は、都道府県や各自治体が独自の制度を用意しているケースもあります。例えば、創業者を対象にした利子補給や保証料補助、特定の業種を対象とした特例枠など、地域や事業内容によって活用できる制度が異なるため、事前に自治体の窓口や商工会議所などに相談し、最新の情報を把握することが大切です。

据置期間(返済猶予)を活用

融資契約時に「据置期間」を設定することで、一定期間は元本返済を先送りできる制度です。

  • 創業当初の売上が安定しない時期に返済を始めなくて済む
    創業して間もないころは、資金が大量に出ていく一方で売上はまだ少ないという状況が多々あります。据置期間を上手に利用することで、創業初期の資金繰りを安定させ、事業の立ち上げに集中することができます。
  • 融資を受ける際に事前に申請が必要なケースが多い
    据置期間を設定する場合は、融資の申し込み時に**「何か月据え置きたいのか」「据置期間後の返済計画はどうするか」**などを事業計画書に反映させる必要があります。金融機関や公的機関によっては希望する据置期間が認められない場合もあるため、交渉や相談が重要です。

このように、返済そのものが不要になるわけではありませんが、返済期間の設計や優遇制度の利用によって返済の負担を軽減することは可能です。創業融資を検討する際は、まずは上記のような制度の特徴を理解し、自社の事業計画や収益見込み、自己資金に合った方法を選ぶようにしましょう。

創業融資や自己資金についてはこちらの記事でくわしく解説しています。
自己資金なしで可能な創業融資の制度と注意点を徹底解説

実際に返済不要となる資金調達方法

「返済不要の創業融資」は存在しませんが、返済義務が生じない資金調達方法としては、補助金・助成金、投資(出資)、クラウドファンディング、ファクタリングなどがあります。いずれも融資とは異なる仕組みのため、返済義務はありませんが、その代わりに条件やリスク、注意点がある点に留意しましょう。

補助金・助成金

  • 返済不要だが、応募・採択に条件や競争があり使途制限も厳しい

国や地方自治体が提供する補助金・助成金は、採択されれば基本的に返済が不要です。しかし、多くの場合、事業の目的や内容が補助金の趣旨に合致しているか、事業計画に具体性や新規性があるかなど、応募時の審査に通過する必要があります。また、採択後は「何に使えるのか」「実施期限はいつまでか」といった使用目的や期間が細かく制限されることが多いです。

  • 申請書類や事務作業が煩雑になりがちだが、通れば大きなメリット

補助金・助成金の応募には、事業計画書の提出や細かい経費明細の作成など、膨大な書類と作業が求められます。補助金ごとに要件が異なるため、情報収集と準備には時間と手間がかかります。しかし採択されれば、大きな額を返済不要で利用できるという大きなメリットがあります。事業規模が拡大する可能性を秘めている場合は、積極的に検討してみるとよいでしょう。

投資(出資)を受ける

  • エンジェル投資家やベンチャーキャピタルからの出資は返済不要

投資家から資金提供を受ける「出資」は、資本を譲渡するかわりにお金を受け取るため、返済の義務がありません。エンジェル投資家やベンチャーキャピタルの場合、スタートアップ企業に対して積極的に投資を行い、将来的な企業価値の成長による株価の上昇やIPO(株式上場)などによるリターンを狙います。

  • ただし経営権の一部を手放すリスクもある

出資を受けると、株式を発行(あるいは譲渡)する形が一般的です。出資割合が大きくなると、投資家が経営に関与したり、重要な経営判断に口を出したりする可能性が生まれます。自由度が下がる反面、大きな資金を早期に調達できる利点があるため、企業の成長スピードを加速させたい方には有効な方法です。

クラウドファンディング

  • 調達額を返済する必要がない(リターンの提供などは必要)

クラウドファンディングは、インターネットを通じて不特定多数の支援者から資金を募る仕組みです。多くの場合、支援金に対して金銭的な返済義務は発生しません。代わりに、商品やサービスの先行提供、特典グッズなどのリターンを用意して感謝の気持ちを伝える形式が一般的です。

  • 事業アイデアのPRにもなる半面、目標未達の場合は資金が集まらない可能性

プロジェクトを公開することで、世の中に事業アイデアをアピールでき、ファンを増やす効果も期待できます。しかし、目標金額に達しないと成立しない方式(All or Nothing)を採用しているプラットフォームも多く、万が一目標に届かなかった場合、資金を調達できないリスクがあります。プロジェクトの魅力を伝えきるプレゼン能力やマーケティング戦略が鍵となるでしょう。

ファクタリング

  • 売掛金を早期現金化する手法。借入ではないため返済の義務はない
    ファクタリングは、取引先から受け取る予定の売掛金(請求書)をファクタリング会社に買い取ってもらう仕組みです。将来入金されるお金を前倒しで現金化する形なので、借入れとは異なり返済義務がありません。主に、売掛金の入金サイクルを短くして資金繰りを改善したい場合に活用されます。
  • 手数料がかかるので注意
    売掛金を買い取ってもらう際には、取引額の数%〜数十%の手数料が発生します。手数料率は会社や契約内容によって異なるため、複数社を比較検討して選ぶのが望ましいです。急場しのぎとして有効なケースもある一方、長期的に利用するとコストがかさむ点に留意が必要です。

返済不要の資金調達は、融資とは異なるメリットがありますが、申請手続きが複雑であったり、事業上の制約やリスクが伴ったりする場合があります。自分のビジネスモデルや成長方針に合った方法を選ぶためにも、情報収集と専門家への相談を欠かさず行いましょう。

創業融資と補助金・助成金の使い分け方

創業時に資金を調達する方法として大きく分けられるのが、「融資」と「補助金・助成金」です。どちらも事業をスタートさせるための資金として利用される一方、それぞれメリット・デメリットが異なり、最適な使い分け方を理解することが重要です。

創業融資のメリット・デメリット

メリット

  1. 無担保・無保証人可
    日本政策金融公庫の新規開業資金をはじめ、一部の公的融資や制度融資では、個人保証や担保が不要となるケースがあります。これにより、創業者の個人的なリスクを抑えつつ資金を確保しやすくなります。
  2. 開業前でも申し込みが可能
    多くの創業融資制度は、開業前から資金調達を検討できるようになっています。開業準備段階で融資を受けられれば、物件取得や設備投資などの初期コストを先行して賄うことが可能です。
  3. 銀行・他機関との信用確立
    公的融資や銀行融資を受けると、金融機関との取引実績が積み重なり、将来的に追加融資や別の資金調達を検討する際にも有利に働くことがあります。長期的な視点で事業を拡大していくためにも、大きなメリットとなるでしょう。

デメリット

  1. 返済義務がある
    融資はあくまでも借入れであるため、利息とともに確実な返済が求められます。経営が思うようにいかない場合でも、原則として毎月の返済を続けなければならないため、資金繰りが厳しくなる場合があります。
  2. 審査・書類作成が必要
    事業計画書や資金計画、自己資金の用意など、厳格な審査と手続きを踏む必要があります。特に初めて創業する方にとって、書類作成や面談対応は大きな負担となるかもしれません。
  3. 返済不要ではない
    当然ではありますが、融資は「返済不要」の資金調達方法ではありません。返済不要をうたう融資広告は詐欺の可能性が高いため、十分に注意が必要です。

補助金・助成金のメリット・デメリット

メリット

  1. 返済不要
    最大の魅力は、助成を受けた資金は返済する必要がない点です。そのため、資金繰りの負担を軽減しながら事業を拡大していくことが可能になります。
  2. 事業拡大の後押し
    国や自治体の補助金・助成金は「新しい技術・サービスへの支援」「地域活性化」など、特定の目的を持って支給されます。採択されることで、社会的信用や事業のPR効果が高まり、さらに事業拡大を促すきっかけになることもあります。

デメリット

  1. 申請手続きが複雑
    補助金や助成金は、応募期間・要件・提出書類などが制度ごとに異なり、非常に煩雑です。書類の不備や要件未達で不採択となるリスクもあるため、注意深く準備する必要があります。
  2. 用途制限・報告義務などが厳しい
    支給された補助金・助成金は使い道が詳細に指定されていることが多く、また支給後には「何に使ったのか」を示す報告書の提出が求められます。報告を怠ると、最悪の場合、支給金の返還や違反としてペナルティを課される可能性もあります。

同時活用で資金繰りを安定させる

  1. 融資で必要資金を早期に確保しつつ、補助金や助成金で返済負担を減らす
    補助金や助成金の支給は、応募から採択、交付決定までに時間がかかるケースが多いため、開業直後にすぐに使えるとは限りません。そのため、まずは融資によって必要な資金を確保し、並行して補助金・助成金の申請を行うという組み合わせがおすすめです。もし採択されれば、後から返済不要の資金を追加で手に入れられるため、返済負担を軽減できます。
  2. それぞれの申請条件や時期を把握して計画的に活用
    創業融資にも補助金・助成金にも、募集期間や申請手順、審査基準、書類要件などが細かく設定されています。制度の重複利用が可能かどうかも事前に確認しておく必要があります。
    • 公的機関のホームページや商工会議所、自治体の相談窓口などを活用して、最新情報を入手
    • 申請に必要な書類やスケジュールを逆算し、無理のない計画を立てる

同時活用をうまく行えば、創業期から事業拡大期までの資金繰りを安定させることが可能です。返済不要のメリットを持つ資金と、融資による安定的な資金調達を上手に組み合わせることで、よりスムーズな事業成長を目指しましょう。

申請や審査で失敗しないためのポイント

資金調達をスムーズに進めるためには、事前準備や情報収集が欠かせません。融資申請や補助金の応募、投資家へのプレゼンなどで失敗しないためには、以下のポイントをしっかりと押さえておきましょう。

綿密な事業計画書の作成

  • 事業のビジョン・収益予測を明確化

まずは自社の事業コンセプトや目指すビジョンをはっきりと示し、どのようにして利益を生み出すのかを具体的に説明しましょう。ターゲット顧客や市場規模、競合状況などを調査し、**「売上がいつ、どのように伸びるか」**を数字で表すことが大切です。

  • 貸し手や補助金審査官が納得できる数字の根拠を示す

売上予測や資金計画、費用対効果などを明確に示すことで、融資審査や補助金審査官の信頼を得やすくなります。根拠を示す方法としては、類似ビジネスの実績データの引用や、試算に用いた計算式などを資料化すると効果的です。単に楽観的な予想値を並べるのではなく、根拠ある数字を示すことが審査通過率を上げるカギとなります。

複数の資金調達方法を比較検討

  • 公的融資・民間融資・補助金・助成金・出資など特色を理解して使い分ける

資金調達には、融資(公的・民間)や補助金・助成金、投資家からの出資、クラウドファンディングなど、さまざまな選択肢があります。それぞれに特徴やメリット・デメリットが異なるため、自社の事業ステージや目的に合わせて選ぶことが重要です。

  • 一つの方法に固執せず、専門家の意見も取り入れる

たとえば「最初は融資で必要資金を確保し、後から補助金・助成金を申請する」というように、複数の方法を組み合わせることでリスク分散が可能です。また、税理士や中小企業診断士、金融機関の担当者など、専門家に早めに相談し、適切なアドバイスを得ることでスムーズに審査を通過しやすくなります。

創業融資の審査で税理士にサポートを受けるメリットや費用についてはこちらの記事で解説しています。
創業融資の審査で税理士にサポートを受けるメリットや費用を徹底解説

怪しい勧誘や個人間融資に注意

「すぐに借りられる」「返済不要」「保証人不要」「無審査」などは要注意

インターネット広告やSNSで、こうした文句を見かけることがあるかもしれません。しかし融資である以上、実質的に完全返済不要という制度は存在しないのが現実です。個人間融資や闇金などを利用すると、高金利や手数料詐欺などのトラブルに巻き込まれる危険が高いです。

公的機関や金融機関の公式情報を必ず確認

安全な方法で資金を調達するためには、信頼できる金融機関や公的機関の制度を利用しましょう。国や自治体のウェブサイト、商工会議所・商工会などの窓口から最新情報を入手し、不審な勧誘を受けた際は**必ず「公式情報と照合する」**ことが大切です。万が一、不安や疑問がある場合は、専門家や金融機関へ直接問い合わせることで、詐欺被害を未然に防ぐことができます。

まとめ

「返済不要の創業融資」という制度は実質的に存在しないものの、据置期間の設定や利子補給制度、資本性ローンなど、返済の負担を軽減できる選択肢はいくつかあります。

また、返済不要の資金調達方法としては補助金・助成金や出資が代表的ですが、いずれも審査や使途制限が厳しく、実際に活用するには高いハードルがある点に注意が必要です。

したがって、創業資金を調達する際は、複数の方法を組み合わせながら返済計画や事業計画書をしっかりと作り込み、必要に応じて専門家の助言を得ることが、スムーズに資金を確保するための大きなポイントです。

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井手 昭仁

税理士事務所で約20年にわたり勤務し、税務申告や税務調査の立ち会い、開業手続き、融資サポートなど幅広い実務を経験。これらの知見をもとに、起業家向けに、業界経験者ならではの専門的な視点と、客観的な視点の双方から、有益な情報を発信しています。