税務署から突然の連絡が来た場合、多くの方が不安を感じることでしょう。税務調査の連絡は、確定申告の不備や無申告によるものである可能性があります。この連絡を受けた際に適切に対応しないと、税務調査がスムーズに進まず、結果として不利な状況に陥るリスクがあります。
この記事では、税務調査の連絡が来た際の対応方法や、調査の流れについて詳しく解説します。税理士のサポートを得ることで、調査がスムーズに進み、精神的な安心感を得られる方法をお伝えします。また、適切な事前準備を行わなかった場合に発生する不利益についても触れ、この記事を読むことで、税務調査に備えた具体的な対策を学ぶことができます。
税務調査の連絡が来た際に不安を解消し、適切な対応をするための情報を提供しますので、是非最後までお読みください。
税務署から電話がある理由
税務署からの電話がある場合、以下２つの理由が考えられます。
- 税務署からのお尋ね
- 税務調査の連絡
税務署からのお尋ねとは
税務署からの「お尋ね」は、確定申告の内容を確認するために行われる問い合わせです。電話や書面で行われることが多く、質問に対してしっかりと回答すれば問題ありません。主に、確定申告の内容に疑問がある場合や、最近不動産を購入した方などが対象となります。
以下の場合、税務署からのお尋ねが来やすいです。
- 高額の金融資産を相続した場合
- 一定額以上の不動産の購入や譲渡がある場合
- 無申告の場合
税務調査の連絡
税務調査の対象になる（通常の税務調査である任意調査）場合、事前に税務調査をする旨と日程調整で電話連絡があります。
＊通常の税務調査は、任意調査と呼ばれ、事前に連絡がありますが、脱税などの疑いがある悪質な場合の税務調査は特別調査といって、事前連絡なしに税務調査官が自宅や事業所などに訪ねてきます。
税務署からの電話を折り返しする場合の注意点
税務署からの電話の理由が税務調査の連絡だった場合、日程調整をし、速やかに準備が必要になります。
税務調査の連絡が来た際の初動
税務署は税務調査の連絡の場合、以下の2点を伝えてきます。
- 税務調査を行いたい旨
- 税務調査の日程
税務調査の連絡の時点で日程は決まっていますが、この日程は変更することが可能です。
そのため、税務調査の日程をできるだけ遅らせ、その間に必要な書類を準備し、税理士に立ち会ってもらう対策を取ると良いです。
税務調査には、税理士が立ち会うかどうかで、追徴税額の交渉や精神的な負担が大きく異なります。
可能であれば、事前に立ち会ってくれる税理士を探しておきましょう。
税務署が税務調査の連絡をしてくるのは事前通知といって、法律上の手続きです。といっても、内容を聞くだけで問題ありません。
| 事前通知とは‥ |
税理士の立ち会いのメリット
税理士の立ち会いは任意ですが、以下のメリットがあります。
税理士が立ち会うメリット
- 調査のスムーズな進行と時間短縮
税理士が専門知識を活かして迅速に対応することで、調査が円滑に進み、時間を節約できます。
- 精神的な安心感
税理士の立ち会いにより、税務調査に対する不安が軽減され、安心して調査を受けられます。
- 適切な事前準備
税理士が必要な書類やデータの準備をサポートし、調査がスムーズに進行します。
- 調査後の対応
修正申告書の作成など、調査後の手続きをスムーズに行うことができます。
- 調査官との交渉力
税理士が代理人として交渉することで、不利な立場に立たされることを防ぎ、適切な意見を伝えることができます。
- 誤解やミスの防止
税理士の専門知識を活用して、調査中の誤解やミスを防ぎ、余分な納税を回避します。
無申告で税務調査が行われる理由
特にインターネット取引において、無申告や所得漏れが多発しています。国税庁はこれに対する取り組みを強化しており、例えばメルカリのようなプラットフォームから出品者のデータを入手し、そのデータを元に確定申告の状況を確認することで、無申告者を特定することが可能です。このため、無申告であっても税務署から連絡が来ることは十分にあり得ます。
メルカリの無申告が税務署にバレり理由についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
メルカリの無申告は税務署になぜバレる？2つの経路と税務調査の可能性
税務調査の進行と流れ
任意調査の場合、通常2日から3日かけて実地調査が行われ、その後税務署内で精査が行われます。以下は2日間の日程で行われる場合の一般的な流れです。
初日
午前中:は事業の内容、得意先や仕入れ先、仕入れや経費の支払い、売上から入金までのタイミングやお金の流れについてヒアリングがあります。その後、総勘定元帳を中心に請求書や領収書との照合で漏れや間違いがないかを確認します。
この確認作業が実地調査の主な作業です。時折、調査官から質問があるので回答が必要ですが、それ以外は、その場にいさえすれば、仕事をしてても差し支えありません。
2日目
1日目の午後に行った作業を引き続き行います。最終日の終わりの1時間ほどで、現地調査のまとめとして、調査官から疑義がある事項や修正点についての説明があります。この時点の説明は確定ではなく、後日税務署内での精査が完了した後に最終決定がなされます。税務調査は概ね朝10時から開始し、16時に終了します。
税務調査で気を付けるべきこと
税務調査では、正直に対応することが重要です。嘘やごまかしは心証を悪くし、結果的に不利になる可能性が高いです。しかし、バカ正直になる必要はなく、聞かれたことに対してのみ答えることが大切です。
税務調査の前に用意すべき書類
税務調査に備えて、以下の書類を準備しておくとスムーズに対応できます。
- 総勘定元帳
- 請求書
- 領収書
- 納品書
- 通帳のコピー
- 契約書
- クレジットカードの明細
以上が、税務調査に関する解説記事です。税務署からの連絡にどう対応するか、無申告の場合の対処法、税務調査の流れや注意点、そして税理士の立ち会いのメリットについて具体的に説明しました。税務調査に直面した際に、これらの情報が役立つことを願っています。
まとめ
税務調査に関する重要なポイントをまとめました。税務署からの連絡があった場合、すぐに税務調査を疑うかもしれませんが、状況に応じて異なる対応が必要です。確定申告を行っている場合は、単なる書類の不備に関する問い合わせである可能性がありますが、申告から時間が経過している場合や無申告の場合は、税務調査の可能性も考えられます。
特にインターネット取引においては、無申告や所得漏れが多発しており、国税庁はこれに対する取り組みを強化しています。税務調査の連絡を受けた場合は、まず日程調整を行うことが重要です。税務署側が提示する候補日の中から調整し、税理士に立ち会いを依頼する場合は三者での日程調整が必要です。
税務調査は2日から3日かけて行われ、初日は事業の内容やお金の流れについてヒアリングし、午後からは書類の照合が行われます。調査の最終日には調査官から問題点や修正点の説明がありますが、その時点での説明は確定ではなく、後日精査が行われます。
税務調査においては、正直に対応することが重要です。聞かれたことに対してのみ答え、嘘やごまかしは避けるべきです。税務調査に備えて、総勘定元帳や請求書などの書類を準備しておくことが大切です。
税理士の立ち会いは任意ですが、立ち会いによって調査がスムーズに進み、精神的な安心感を得られます。また、適切な事前準備や調査後の対応がスムーズに進むため、税理士の立ち会いを検討することをお勧めします。申告していない場合や自分で確定申告を行った場合でも、税務調査だけ税理士に依頼することは可能です。
これらのポイントを押さえて、税務調査に備えることで、スムーズかつ適切な対応ができるようになります。